実家は宮崎県の豆腐屋。

忙しければ、昼食も取る暇がない・・額に汗して働く両親を見て、仕事とはそんなものだと幼い頃から思っていました。

地元の高校そして立命館大学を経て、コンピュータのシステム会社に勤めました。
就職した会社は、当時資本金数千万円の若い社員ばかりの会社でした。
無我夢中で20数年勤務している中で、その会社は私が思っていた以上の発展を
遂げていき、ついには東証一部上場を果たしました。
上司や同僚に恵まれ、また何よりお客様に鍛えられ、おかげで私も一緒に成長
できたように思います。
ドラスティックな経験ができた会社員時代には感謝しかありません。

またSEとして、メーカー、商社、スーパー、電化製品の保守、病院、運送会社等
様々な企業の人事システムや給与システム、 就業システムの構築に携わった
経験が、今の社会保険労務士としての基盤になっているように思います。

私がその会社を退職する日のことです。
その10年以上も前、ダメ出しをし、結果的に会社を辞めさせることになった、元部下
から、長文のメールをもらいました。
地方の会社で立派な管理職として成長した彼からの、当時の指導に対する感謝と労いの言葉がありました。
ありがたくて読んでて嬉しくなりました。でも、ふと気づいたのです。

何のことはない。。
私がダメだと成長を見限った彼の成長は、私の管理職としての無能を証明したようなものでした。
彼の温かい言葉が嬉しかった一方で、自分が情けなくて、悔しくて涙が出ました。
もっと、彼のために、やりようがあったのではなかったか・・。


ただ、私のように、模索しながら部下と向き合っている管理職の方は多いのでは
ないでしょうか。
顧客第一主義、顧客満足度の向上、そして収益アップ。
プレーイングマネージャーであれば、目先の顧客と目標が何より大事。。
組織の中でいろんな悩みが抱えながらも、頑張ってくれているそういった組織人が
いてくれて会社の成長がある、のかもしれません。

社会保険労務士として私が一番に考えたいのは、従業員、中でもおこがましいこと
を言いますが、管理職を育てるお手伝いをすることなのです。 
経営者と、組織の中でもがいているのかもしれない、中間管理職の方の力になる
ことだと思っています。

若い社員は、上司を自分の将来像と重ねて見ます。
ある意味、優秀な若い社員ほど、上司を見て会社を見限ることも多いのです。
企業人の最大の職場環境は、間違いなく上司です。

優秀な人材を育成し、定着させること。
若い社員が目標にできる管理職の存在は、会社の健全な発展のためには
欠かせないことです。

社会保険労務士は、評論家になってはならないと思っています。
私は、額に汗して動き回る社会保険労務士でいたいと思っています。

そんな私の目標は、必死に働きながらも楽しそうだった、あの日の両親です。
 



＜Ｐｒｏｆｉｌｅ＞

所長　柿野　元博
社会保険労務士、医療労務コンサルタント

平成22年　株式会社オービック 退職
同年　　　   社労士事務所「かきの経営労務サポートオフィス」開業
 　　　　　　　年金事務所の非常勤職員として年金相談員を務める
平成23年　労働基準監督署の非常勤職員として労働相談員を務める
平成24年　事務所を現住所に移転し、「アヴニール労務事務所」開設 
 以来、多業種にわたり、就業規則策定の他、人事制度、賃金制度や
退職金制度のコンサルティング、報連相を中心としたセミナー講師等
として活動中。

 



「私の思い」については、毎月の事務所通信の編集後記に執筆させていただいております。
お知らせからご覧いただけますので、よろしければそちらもご覧いただければ幸いです。




お知らせ 

上に戻る